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10月1日都民の日。その1『カポーティ』をやっと見る

10月1日は都民の日。毎年都内の市・都立の学校がお休みになります。

無料になる都の施設もたくさんあるのですが、都内の職場がお休みになるわけではないので、いつもは使いにくい。今年のように土曜日と重なって大人も休める人が多い都民の日は、どこもにぎわいます。

おまけに1日は映画の日。ここで何度も書いているように、映画『カポーティ』の公開を楽しみにしていた私としては是非とも行きたい。現在東京で『カポーティ』をやっているのは日比谷と恵比寿ガーデンシネマだけ。でも子供と見る映画ではないし。

結局、恵比寿ガーデンシネマの初回は私だけ見に行って、あとで新宿で家族と待ち合わせることになりました。恵比寿のガーデンシネマは、都内の映画館の中でもイチオシです。椅子がいいし(体の大きい人には少しせまいかもですが)、来館順の番号スタンプで入場が整然としているのも好き。ガーデンプレイスの雰囲気もいい。

『カポーティ』は期待にたがわず、シーモア・ホフマンの演技のうまさを堪能しました。脇役の人たちもみな存在感がありました。役者が大根だったら成り立たない、重い映画。公開まで長すぎたので、私の場合「予習」しすぎて、内容を薄く感じてしまいましたが・・。『冷血』とジェラルド・クラークの『カポーティ』の伝記の内容全てを2時間に期待するのはフェアじゃないですね。

映画を見て、カポーティの人格や心理がわかりにくかったと感じた方もいらっしゃるかもしれません。でも、そのわかりにくさ、つかみ所のなさは、カポーティ関係のどの本を読んでも、最後まで残るわかりにくさなんです。本当は何を考えていたのか?本当は(内面的に)どんな人だったのか?実際にはどんな魅力があって、一時は社交界の花だったのか?

きっと、その場その場では真摯に人に優しくしたり、本気で人を愛し、つくす性格だったのだろうと思います。その反面、生来の空想壁(嘘をつくというより、物語を作る性癖)や徹底した利己主義や、感情に身をまかせたりする性格があり、それが外から見るとアンバランスに見えるのでは。そういう人格形成に、幼少期の母親との関係があるのも、映画の中ではうまく触れていたように思いました。

自分に似た内面を持つ殺人犯ペリーと親交を深めることで『冷血』を書き上げ、その死刑に立ち会ったことがカポーティの内面を崩壊させ、作家生命を終わらせたように映画では描かれていました。実際は、アルコール中毒や薬物中毒はその数年前の母親の死からひどくなっているように見えます。『冷血』も世間の評判にはなったものの、期待していた文学賞などは全くとれなかったこと(ハーパー・リーの『アラバマ物語(To kill a mockingbird)』はとった)などもカポーティの失意の原因だったようです。映画だけ見ると、あれだけで何も書けなくなってしまうということに疑問を感じるのではないかと思いました。

さて、実際のカポーティ本人が簡単に見られるのは、『名探偵登場』という映画の中です。晩年のカポーティが、死ぬ大富豪役を演じていますが、まるで印象に残っていません。だいぶ前にテレビで見たのは覚えていますが、「つまらなかった」記憶しかない・・・。Tutayaでビデオを借りるかどうか思案中です(DVDはないだろうなあ)。

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コメント

ぼくてきさん、こんにちは!
先日はブログにコメントを頂き、ありがとうございます。どなたかに見て頂けているのか(?)反応がないブログなので、コメントを頂けてとても嬉しいです。
さて、映画『カポーティ』公開になりましたね。私もすぐ見ようと思いながら、まだ見ていません。恵比寿のガーデンプレイスには先日恵比寿を通りかかった際足を延ばしたのですが、その時はまだ映画は公開になってませんでした……。
私は日比谷に見に行こうかなと思っています。フィリップ・シーモア・ホフマンのカポーティ役がどれほど素晴らしいか、とても楽しみです。

投稿: yumemi | 2006年10月 2日 (月) 22時44分

いえ、こちらこそいつもありがとうございます。
以前PCの雑誌で、「しっかりした内容のブログには、かえってコメントがつきにくいことがあります」っていう記事を読んだことがあります。
yumemiさんのブログは本好きの固定読者がたくさんついていると思います。

映画の日は、たぶん日比谷は入れないだろうと思って恵比寿にしました。恵比寿は1時間前でもまだ100番(半分)くらいでした。日比谷がだめなら、恵比寿にはしれ!ってことで(笑)。恵比寿はレディスデイはありません。

ホフマンは人間の内面を描きだすのが本当に上手なカメレオン役者。カポーティの複雑な性格を演じるのに彼以上の人はいないでしょうね。yumemiさんの感想も楽しみにしています。

投稿: ぼくてき | 2006年10月 2日 (月) 23時14分

ぼくてきさん、はじめまして!
過去の「予習」記事も含めて、非常~に参考にさせていただきましたので、お礼をかねてTBさせていただきました。
僕はカポーティの伝記は読んでいないので詳しいことはわからないのですが、映画を見た後、カポーティがアレだけでその後何にも書けなくなるはずがない!と疑問に思いました。で、ぼくてきさんのこの記事を見て、やっぱりそうかと(笑)
でも真相はカポーティ本人にしか絶対わかりませんよね!

投稿: moviepad | 2006年10月16日 (月) 00時52分

はじめまして!
そうですね。映画的にはそうするのが、話をまとめやすかったんだと思いますが。
私はホフマンが好きで、映画の公開が遅かったので、はじめは仕方なく伝記などを読んで待っていました。
カポーティの伝記は、アメリカの社交会録のような様相があって読み応えがあります。でも確かに事実や証言などをどれだけ集めても、捉えきれないものを彼の生涯や性格には感じます。

投稿: ぼくてき | 2006年10月16日 (月) 15時40分

ぼくてきさーん、観てきました、私も、とうとう!(文法おかしくなってます)
カポーティってのは変わったヒトなんですね…。その辺りがよく伝わってくる映画でした。やっぱりホフマン入魂の一作ですね。
書きたいことはたくさんあります。近日中に感想をアップしますので、その時にはTBさせていただきますね~。

投稿: バウム | 2006年10月18日 (水) 23時05分

大丈夫、「観てきました」を先に書くのは、倒置による強調構文で観た興奮を表しているだけで、十分文法的でっす!(←うるさ)

変わった人・・という言葉は好きじゃないんですけど、確かに本当に複雑な面を持った人ですね。ホフマンにはもってこいの役。
彼は、自分が情緒不安定になるほど役にのめりこんだらしいです。

感想楽しみにしてますね~。

投稿: ぼくてき | 2006年10月18日 (水) 23時47分

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あるジャーナリストの話を思い出した。 もう記事は出来上がっている。取材するのはそれを確認するためにいくにすぎない カポーティが自分を取材した本に「In Cold Blood」(平然と、冷静に、冷酷に)という題名をつけたことを知り、取材対象である死刑囚ペリーは愕然とする。カポーティからは「まだ何も書いていない」と説明されていたし何より肝心の殺害実行の場面を全く話してもいないのに...。映画「カポーティ」は、ジャーナリスト(メディア)がいかに取材対象を自分の仕事や利益のために... [続きを読む]

受信: 2006年10月16日 (月) 00時45分

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